海外の国々と比べても、日本は建築の技術が非常に優れています。
日本は海外の国々と比べて地震の発生回数が多く、揺れに耐えることのできる建物を建築しなければなりません。
また、人口密度が非常に高く、小さな空間をできるだけ広く活用するための建築技術が必要になります。
今回は、日本の建築技術についてご紹介します。
□日本の優れた建築技術の内容
先述した通り、日本は地震大国と呼ばれるほど、多くの地震が発生する国です。
そのため、日本の建築技術は、他の国の建築技術よりも耐震技術が優れているとされています。
では、どのようにして優れていると言えるのでしょうか。
大正時代に起きた関東大震災が、耐震技術の研究を進めるきっかけとなりました。
研究の結果を参考に、日本の住宅の耐震基準は上げられ、地震に強い国へと前進しました。
しかし、戦争が勃発したことによる極度の資材不足から、耐震基準を緩めなければなりませんでした。
そうして戦争が終わり、新しい耐震基準が出来上がりました。
次に、阪神淡路大震災が起きてしまいます。
この地震によって、倒壊した建物は高度成長期の前後で建てられたものが多く、戦前に建てられた建物の方が損傷は少なかったのです。
こうした経済の絡んだ背景があることで、耐震基準が変化し、昔の建物の方が、耐震がしっかりとなされているという状況が出来上がったのでしょう。
ここからわかることは、戦前の耐震基準でさえ、阪神淡路大震災の揺れに耐えることができていたということです。
日本の場合は、耐震技術が十分に優れているため、経済問題が絡まなければ基準はよくなると言えるでしょう。
また、耐震技術は世界的に見ても優れていることがわかります。
□日本が誇る宮大工とは
日本には住宅家屋を扱わない大工が存在します。
その名も宮大工と言い、神社や仏閣などの伝統的な建築物を手がける職人のことを指します。
ではなぜ、住宅家屋の大工と分けられているのでしょうか。
1つ目に挙げられる理由は、作り方が全く違うからです。
住宅家屋を作る際に、必要になる木材や鉄などは、工場で加工されたものを運び込んできて、そのまま接着していきます。
壁紙やフローリングも既に完成したものを貼ります。
しかし、宮大工は完成されたものを使用しません。
これが普通の大工と宮大工の大きな違いであり、宮大工は自分の手で木を削ってパーツから作成します。
工場から出荷されたものを建築物に使用せずに、木を形に合わせて削って組み立てます。
また、神社や仏閣は木組み工法で建てられているため、木組みの技術を体得していなければ作れません。
また、木組み工法の技術を体得し、宮大工として一人前になるためには10年以上かかると言われています。
宮大工は、釘や金物を一切使いません。
木を削ったり切ったりすることで、木同士をはめ合わせて組み合わせます。
そのため、木の性質や状態を理解する必要があり、とても高度な技術が問われます。
この宮大工は日本が誇る伝統技術を持った、凄い職人なのです。
□まとめ
今回は、日本の高い建築技術についてご紹介しました。
耐震技術のレベルの高さや、宮大工について理解が深まると、もっと日本が誇らしく感じるでしょう。