みなさんは、「祝日」と「祭日」の違いをご存じでしょうか。
どちらとも、休日として認識している方が多いですが、実は微妙に意味が異なるのです。
今回は、混同しやすい言葉である「祝日」と「祭日」の違いについて、それぞれの具体例も踏まえながら、詳しく説明します。
□そもそも祝日とは?具体例とともに紹介します。
祝日とは、国が定めた祝いの日のことです。
「国民の祝日に関する法律(祝日法)」という法律の第2条で「国民の祝日」と定められている、年間16日の休日のことです。
1月1日の元旦のように、日付が固定されている祝日が大半ですが、中には祝日法によって定められたものもあります。
例えば、祝日が日曜日の休日や、他の祝日と被ってしまった場合に、翌日以降の被らない日を代わりに祝日とする「振替休日」や、祝日と祝日に挟まれた平日も休日とする「国民の休日」などがあります。
祝日の具体例としては、有名なものであれば年の初めを祝う「元旦(1月1日)」や、おとなになったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝うための「成人の日(1月の第二月曜日)」などが挙げられます。
その他にも、自然を親しみ感謝する日である「みどりの日(5月4日)」や、海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日である「海の日(7月の第三月曜日)」なども有名です。
□祭日とは?
祭日とは、「皇室祭祀令」で定められた、儀式や祭典の日のことです。
「皇室祭祀令」とは、皇室の祭典に関する法令のことで、これによって定められていた皇室の祭典などの宗教儀礼が行われる日を「祭日」と呼び、国家全体の休日としていました。
昭和22年になると、この「皇室祭祀令」は廃止され、「祭日」から先ほど紹介した「祝日」という呼び名に切り替わっていったのです。
しかし、とくにご高齢の方などは、当時のなごりが残っており、現在でも「祭日」と呼ぶ方がおられるようです。
「祝日」と「祭日」の違い、理解していただけたでしょうか。
「祭日」は、「皇室祭祀令」で定められていた皇室の祭典が行われる日のことです。
一方、「祝日」は、皇室祭祀令が廃止されてから、「国民の祝日に関する法律」で定められた休日のことです。
つまり、もともと「祭日」として考えられていた日が、「祝日」と呼ばれるようになったと考えれば、理解しやすいのではないでしょうか。
□まとめ
今回は、意外と知らない「祝日」と「祭日」の違いについて説明しました。
何気なく使っている言葉にも、このような歴史があると知ると、非常に興味深いですよね。
今回の説明で、「祝日」と「祭日」という2つの言葉の違いが、理解していただければ幸いです。